後記
 

 他人の生き方にものすごく興味があるんです。

 私は小学生の時、学校の図書室で毎日毎日本を借りて帰っていました。ジャンルは決まって偉人の伝記。ヘレンケラーとか野口英世とか。自分でも不思議なのですが、他にも一般的な物語とか解りやすい絵本とかあったのに、なんで伝記だったんだろう。でも小学生の時って絶対借りるよね伝記!
 あと、まあこれは余談なのですが、私の父は本田技研に勤めてまして、当時父が『本田宗一郎物語』という本田技研工業株式会社創設者の伝記を持って帰ってきてくれました。本田宗一郎さんの生き方がとても興味深くて、その本を狂ったように何度も何度も読み返していました。
 いやあ、10歳そこそこの子供のくせに実に渋いセレクション。我ながら。

 それから、伝記に関わらずいろいろなジャンルの本を読み始めてからというもの、私の読書に対する情熱は高まっていくばかりで。特に中学〜高校は書籍にかかる出費が痛かったです。

 思うに、私はフィクションであれノンフィクションであれ、他人が持つ考え方、感じ方、捉え方、そして現在に至るまでにどんな道を歩んだのか、途中でどんなことが起こったのかに興味があり、作品を通して見えてくる主人公の生き方、さらにはその背景にある著者の生き方が知りたいんだと思います。そういう軌跡を辿ることで、自分と重ね合わせて何かを見出そうとしているのかもしれません。

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 という訳で、佐藤由香里です。
 すっかり涼しくなって過しやすい季節になりました。9月はなんだかんだ言ってやっぱりまだ少し暑かったですが、これからは読書が進みそうですね。私も読者の一人としてここの作品を読み漁るつもりですよ。

 あなたも秋の夜長を、 ここ、「東京文芸センター」で過してみませんか?






東京文芸センター Vol.24

執筆 :神田 良輔 
:潮 なつみ
:佐藤 由香里
後記 :佐藤 由香里
タイトルページデザイン
:岩井市 英知
監修 :東京文芸センター