後記
 
 
 僕らはここでこうした文章を――

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酒臭い母が、優秀なプレイヤーだった。「いってらっしゃい」と言い、彼の作品を書こうと希望の爆弾が投下される。電話で話してみれば、僕の煮え切らなさを訴えた。
「良い夢?」
少女に若返っていたらしい。
風邪ひくわよ。

みんなくっついてくらせるコト、忘れたフリをして、それなりに上手くやってきた。
1000万円の保険金がほんの一粒、涙を落とした。

本屋の名前が印刷されている白いおなかが2つ浮かんでたとき、鼈甲飴の溶けたものみたいなわけのわからない銅像まであった。取り付かれたみたいだ!
偽りの笑顔で溢れていた。


ねえ、詩人さん。
あの馬鹿馬鹿しいセーラー服は
風に乗ってのんびりと動いて
悪戯な表情を浮かべた
不思議な気分になった。


――外の天気が今日のような陰鬱な五月雨。
鐘は鳴ったけど、教室にはいつもの半分くらいしか人が居ない。
アタシは運命的に恋をしたんだけど、さすがに高校留年は避けたい。ぬいぐるみを山と抱えたあたしを抱いているところ、色とりどりのカラフルなプラスチックが快諾し、ソファへと腰掛けた。
廃人感覚が大事よ――
――ああ、バカみたい。

俺たちはその雪だるまだけど、ちっぽけな自己満足さえあれば考えを止めることも出来るはずだ。

片手で二本目の缶ビールを開けて、

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(『東京文芸センター』内の小説を、「カットアップ」と呼ばれる手法を用いて神田が再編成した。カットアップの功績はなにより読書のスピードを遅らせることにあると思ってる。)



東京文芸センター Vol.34


執筆 :上松 弘庸
神田 良輔
佐藤 由香里
藤崎 あいる
後記 :神田 良輔
構成 :岩井市 英知
表紙 :佐藤 由香里
監修 :東京文芸センター