吉本ばななさんの小説を読むと、言葉では言い表せないような空気が私を包みます。
どちらかと言うとどんよりとした重い感じなのですが、ついつい読んでしまう。
癖になる世界観だと私は思っております。
文章でその世界を想像できる。
見えない景色が書き手によって目の前に現れる。まるで自分がその景色の一部のようになる。
読み手によってその世界は様々な色をなし、幾通りもの物語ができる。
それは書き手の意図するところではないものになってしまうかもしれないですが、それもまた良いと思うのです。
書いた作品は私のものではあるけれど、読み手が現れたらそれはもう私の手元からは離れたものとなってしまうわけです。
そう考えると今回書き手になった私はこの作品に対して、いちいち説明をしてはいけないのではないかと思えてきます。
私が書いた作品が、あなたの世界観と重なってくれたら幸い。
そして、また私の作品を読んでみたいと思ってくださったら光栄な事だと思うわけです。
----------------
初めまして。織る子です。
東京文芸センター様に作品を投稿出来るという素晴しい機会に恵まれて、「頑張るぞー!やるぞー!」とうきうきしながら書き始た5月6日。
それから時間は流れ、16日、20日、21日と締め切り間近になる頃には灰皿は煙草で埋まり、虚ろな眼差しで「あー…。うー…。」などと呟いている織る子。怖いです。非常に怖いです。
そして、この後記。これまた「あー…。うー…。」と言いながら書いているわけですが、普段こんなに神経を使った時間を過ごしている事が少ない織る子にはとても有意義なものになったと思います。
どんな作品を書く時にも「愛するあなた」にこの気持ちが届く事を願っているのです。そして今回も愛するあなたへ…。