君と僕とのディスタンス

―梨花の場合―


佐藤 由香里






 ねえ、答えて。

 いつもそう思う。私が何を聞いても祐介ははっきり答えようとはしない。私が必要以上に愛情を求めているからだということは解っているけれど、ちゃんと言葉にしてもらわないと心配で仕方ないのだ。
「私のこと、好き?」
 ベッドの中でそう尋ねると、祐介はこう答えた。
「さあ。」

 祐介はいつもこんな感じ。無表情。無感動。無反応。無干渉。
 考えてみれば、私は祐介から好きだとか愛してるだなんて言われたことは一度もない。もっとよく考えてみれば、付き合おうなんて言われた覚えもない。何となく2人で出掛けるようになって、何となくお互いの家に行き来するようになって、何となく体の関係を持って、何となく一緒に住み始めて。そうやって今まで過ごしてきた1年間。彼が恋人であるという確たる証拠が無い故に、私は愛されているという確証を求め、彼にその質問を投げつけるのだ。
「ねえ、どうなのよぉ。」
「あのなあ、お前しつこい。」
 祐介はそういって私に背を向けた。隣で寝てるのに、何だか手を伸ばしても届かないような気がした。息が届くほどに近い距離が、まるで、水平線に沈む夕焼けのように遠く、果てしなく感じた。



「あんたたち、ちゃんとセックスはしてんの?」
 私はぎょっとしながら上目遣いで加奈子を見た。彼女は怪訝そうな表情で私を見ている。休日の昼間に急に呼び出して何かと思えばそんな話。人通りの多いオープンカフェでアイスミルクティーを啜りながら話すには、少しばかりへビィな話題だ。私はストローから唇を離し、グラスをテーブルの上に置いた。カランと音をたてて崩れた氷が太陽の光を受けてキラキラと輝いている。
 加奈子は大学で同じクラスの、いろいろな相談に親身になって乗ってくれる頼もしい親友だ。
「してるよぉ、一応。」
 私がそう答えると、加奈子は間髪入れずに聞いてきた。
「それってどっちから?」
 どっちからって、そんなの祐介からに決まってる。私から彼に迫るなんて、そんなこと出来る訳がない。そう言うと、サングラスの向こうから私を見る加奈子の目がキッとなった。
「梨花、あんたまさか、セックスは男からするものだなんて思ってない?」
 私が、違うの?という表情を浮かべると、加奈子があきれたように溜息をついた。彼女が言うには、寝てるだけの女なんてのは、男にとってはつまらないらしい。そんなこと言ったって、どんなことをしたらいいのか解からないし、第一、私からしようよっていうの?そんなの嫌だ。
「浮気の可能性は?」
 それは考えたことなかった。祐介は、私が大学から帰ってご飯を作って、それが出来上がるタイミングでいつも帰ってくるから、祐介の会社の終業時間を考えたらとてもどこかに寄る時間なんて無い。それは多分ないと思う。
「じゃあ、なんで彼女であるあんたにそんなに冷たいんだろうね。」
「でも、私、祐介の彼女なのかどうか自分でも解からないのよ。何度、愛してる?って聞いても答えてくれないし。」
「あんたまさか、いつもそんなこと聞いてんの?」
「へ?」
 加奈子はさっきよりもさらに深い溜息をついて言った。
「あたしずっと思ってたんだけど、梨花の恋愛って自分本位すぎるよ。押し付けがましく彼の想いを確かめようとする割には、セックスに対しては受身すぎる。与えられるだけが愛情じゃないよ。愛情が欲しければ与えなきゃ。」
 しっかり理解できた訳ではなかったけど、どうやら私は恋愛における表現方法を間違えていたらしい。何だか祐介に対する罪悪感が芽生えてきた。もしかしたら私、相当鬱陶しかったのかもしれない。
 急に祐介の顔が見たくなって私は席を立った。
「あ、ねえ梨花、この前買った本、読み終わったら貸してよ。」
 思い出したように加奈子が言う。えと、何の本だったっけ。
「あんた、まさかまだ読んでないの?自分の好きな作家の新作くらい、帰ったらすぐに読みなさいよ。」
 ああ、そうだった。この前出た女流作家の最新の小説。そういえばまだ袋から出してもいない。
「ごめん、読んだら貸すよ。」
「あんたのことだから、読むどころかまだ開いてもいないんでしょ。」
「え? ああ。」
「梨花さあ、欲しいものを手に入れたら満足しちゃうその性格、どうにかならないの?この前だってさあ・・・」
「あーうん、今度貸すから。今日は帰るね。」
 私の頭の中は祐介のことでいっぱいで、加奈子の言うことはあまり耳に入ってこなかった。私は立ったままグラスに残ったミルクティーを飲み干し、伝票を持ってレジに向かった。不満そうな加奈子の視線を背中に受け止めながら、私は急いで店を出た。



 鍵を回して玄関のドアを開けると、祐介の話し声が聞こえた。誰かと電話で話しているようだった。私と話す時とは随分違う、優しい声。何を話してるんだろう。誰と話してるんだろう。リビングのドアを開けると、祐介の声はさっきよりも鮮明に聞こえた。気になって少し聞いていると、祐介の口から信じられない、信じたくない言葉が飛び出した。

「ああ、俺も好きだよ。」

 !!
 今、何て言った?

 誰。 電話の相手は誰なの。
 ショックで頭がグルグルと回って目の前が真っ暗になった。全身の力が抜けていく。手に持っていたバッグが床にポトリと落ち、その音で祐介は私が帰っていたことに気付いた。

「悪い、そろそろ切るわ。じゃあな。」
 早口で電話の相手にそう言って、祐介は慌てたように電話を切った。私が帰ってきてすぐに電話を切るなんて、やましいことがあるからなんだろう。加奈子が読んだ通り、祐介には私以外の女がいたんだ。私の気付かれないように会い、私に気付かれないように連絡を取り合っていた女が。私は平静を装うのに精一杯だった。
「帰ったんならただいまくらい言えよ。」
 そっけないいつもの祐介。さっきの人にはあんなに優しかったのに。祐介にとって私はそんなに価値の有る女ではなのかもしれない。
「あ、ごめんね。ただいま。」
 泣きそうになりながら、私は無理に笑顔を作った。上手く笑えていただろうか。祐介にどう見えたのだろうか。


 その日の夜、ベッドの中で考え事をしていると、祐介がそっとベッドに潜り込んできて、私に手を伸ばしてきた。
 好きな子がいるくせに、私の体も求めるのね。
 感情的な表情も、甘い囁きもない、事務的なセックス。私はいつもどおりにただ寝ているだけで、彼は横になっている私を、まるで人形と遊ぶように抱く。体の下に組み敷かれ、足を折り曲げられて、自分の意思とは関係ない体勢にさせられても何も言わない、私は彼の意のままに変形するラブドールのような存在。きっとそうなのだろう。例の彼女は自分から積極的に祐介を求めるのだろうか。そんなことをぼんやりと考えていた。
 祐介の腰の動きが段々速くなっていき、息遣いが荒くなっていく。祐介が感情を少しだけ表すのは、射精をする直前だけだ。もうすぐ絶頂なのだろう。
「んっ・・!」
 祐介は低い声で唸り、そして私に覆いかぶさったまま脱力した。抱き合うと、彼の体温は、私の体内から流れ出る精液と同じくらい温かいことに気付く。それでもこんなに遠くに感じるのは何故なんだろう。


 停止していた思考回路がゆっくりと動き出した。祐介は今日も私に背中を向けて寝ている。私は、さっきまでずっと考えていた今日の出来事を再び思い出した。
 電話の相手の女は、私の存在を知っているのだろうか。
 祐介とはどこまでの関係なのだろうか。
 私には見せない顔を、彼女にはたくさん見せているのだろうか。
 祐介の方を向くと、彼の背中は呼吸に合わせてゆっくりと動いていて、私はその大きな背中に触れたくて手を伸ばした。その時、
「好き・・だ・・よ・・。」
 ハッとして手を引っ込めた。祐介の寝言。きっと例の子の夢を見ているんだろう。私はもう我慢できなかった。祐介のあの言葉を聞いた時から我慢して締めていた涙腺がとうとう緩んでしまって、後から後から涙がこぼれた。止まらなかった。
 祐介の背中にすがって訴える。
「こっ、こんなに好きなのにぃ、なんでなのぉ。」
 私は祐介のパジャマの裾を握り締めたまま、暫くのあいだ泣きじゃくっていた。そして、このままここには居られない、居たくない、それが私の出した結論だった。

 荷作りは速かった。外はまだ暗かった。
 時計を見ると午前5時45分。祐介はまだ寝ている。私は貴重品と持てるだけの服、それと買ったままになっていてまだ読んでいなかった女流作家の小説を大きめのバッグに納めた。

 今までありがとう。
 残っている荷物は処分してもらって構いません。
 さよなら。

 たった3行の短い置き手紙。それをリビングのテーブルの上に残して寝室に戻ってくると、祐介は規則的な呼吸で肩を動かしていて、起きる気配は全くない。ベッドの横に立ち、祐介の唇に軽くキスをした。
「ばいばい。」
 そう呟いて静かに部屋を出た。寝室のドアの隙間から中を覗くと、廊下から射し込む明かりが祐介を照らして、何だかとてもきれいに見えた。



 あの部屋を去って5日が過ぎていた。もしかしたら祐介から電話がかかってくるかもしれないという期待を、私は心のどこかに持っていた。でも、もし電話がかかってきたとしても、きっと私は祐介の声を聞いた途端泣いてしまうだろう。逆に全く電話がかかってこないかもしれない。それはそれで、私のことなんてどうでもいいんだという現実を突きつけられることになる。それを受け止められそうにない臆病な私は、そういう理由から、携帯電話の電源をあの部屋を出て以降一度も入れていなかった。

 新しい部屋を探して不動産屋をうろうろするも、今ある貯金と月々の親からの仕送りを考えると、なかなか私の理想の物件はない。仕方がないので、部屋が決まるまでの間という約束で、私は加奈子のマンションに居候させてもらっていた。
「梨花、本当にそれでいいの?」
 加奈子は私の顔を見るたびそう言ってきたけれど、私は「うん」としか言わなかった。だって、帰りたくても帰る場所が無いんだもん。祐介と暮らしたあの部屋は、もう私の居場所じゃないんだもん。でも、本当は自分でも解っていた。それはまるで、母親と喧嘩したのが原因で家に帰りたくないと言って駄々をこねる子供のようだと。心の奥底では、本当は帰りたいくせに。


「今から彼氏と会ってくるから、今夜は帰らない。」
 加奈子がそう言って出かけたのは週末の夜。そうだよね、土曜日なんだから彼氏と会うのは当然か。ここに来て明日でちょうど1週間になる。先週の土曜日は隣に祐介がいたのになあ。祐介は今どうしてるんだろう。ふと祐介が電話の相手に言った言葉を思い出した。
『ああ、俺も好きだよ。』

「例の子と一緒にいるのかな。」
 私はそう呟いて、祐介が他の誰かと楽しそうに笑う姿を想像した。段々視界が滲んできて、鼻がツンとなる。それを考えないようにするためテレビをつけた。チャンネルを頻繁に変えてみるものの、どこも面白そうな番組はやっていない。私はテレビの電源をオフにしてソファーの上に仰向けに寝転んだ。
 あ、そうだ。あの小説を読もう。
 持ってきていた女流作家の小説をまだ読んでいないことに気付いた。袋から出そうとする。すると、一度袋を開けた形跡があった。加奈子が読んだのかな。すごく読みたがっていたから、きっと加奈子が我慢できずに勝手に出して読んだのだろう。

「君と僕とのディスタンス」

 それがこの小説のタイトル。裏表紙のあらすじを読むと、この本は遠距離恋愛をしている男女の、すれ違いばかりの毎日を描いたラブストーリーのようだ。

 私は本を読むのが大好きでよく買って帰るのだけど、まとまった時間が無ければ読もうとしない。気持ちが「よし、読むぞ」ってならないと、なかなか主人公に感情移入が出来なくて共感できないのだ。それは映画や音楽でも同じこと。DVDやCDを買ってきても、まだ袋から出さずにいるものがたくさんある。加奈子は私を「手に入ったらすぐ満足する女」と思っているようだけど、本当はそうじゃない。言い訳するのも面倒だから、それは否定しないままでいるだけ。
 本っていうのは、読もうと思った時が読むべき時。そして今がその時。
 私はゆっくりと表紙をめくった。



 それからどのくらいの時間をかけてその小説を読んだのだろう。夜はすっかり更けていた。そして、私はすっかりヒロインに感情移入していた。主人公の男が少し祐介に似ていたからかもしれない。男は確かに女を愛していた。でもそれを上手く女に伝えられないだけだった。そして男と女はすれ違っていく。そんな話。

 その小説のラストはこうだった。
 女がどうしても男に会いたくなって、深夜、男に今すぐ会いに来て欲しいとわがままを言う。男は無理だと答えると、女は取り乱して別れを告げる。会いたいときに会えないなんて、もう我慢できない、と。男は腹を立てて一方的に電話を切る。女はまたいつものような喧嘩だと思った。しかしそれから数時間経った朝方、突然鳴った電話がそれを否定した。それは、男が事故に遭って死んだという訃報の知らせだった。事故現場は女の家の近くだという。女は後悔した。あれからすぐに私に会いに来てくれたんだと思った。でも、もう遅い。私のせいだと女は自分を責めた。そしてその2人の恋は、世界で一番遠い遠距離恋愛になった。

 遠く離れた恋人と喧嘩をしてもなかなか仲直りできないもどかしさ。好きな気持ちを上手く表現できなくてつい意地を張ってしまうやるせなさ。離れていることの意味。隣に居られることの喜び。そして、お互いの距離。
 読者に対しての問い掛けが様々なシーンに散りばめられた小説だった。

 溜息をついてそっと本を閉じる。私の胸はきゅうっと締め付けられたまま、なかなかその痛みが取れないでいた。頬を何か熱いものが伝う。私は泣いていた。自分が泣いていることに、今まで気が付かなかった。そして私は思った。今、祐介に会いたい。

 好きな人が近くにいるのにわざわざ離れることなんてない。祐介が私を見限らない限り、そして私が祐介のこと嫌いにならない限り、私は祐介から離れる必要なんてない。電話の女がなんだっていうの。私が祐介のことを思う気持ちは誰にも負けない。
 ここ最近、自分に対して嘘をつき続けていたことを私はようやく認めた。そして心の底から思った。祐介の隣に行きたい。祐介の体温を感じたい、と。離れてみないと解からないことに私は気付いたんだ。自分勝手なことは解かっていた。勝手に出て行って、勝手に帰ろうとする自分のわがままさに嫌気が差した。でも、それが私の正直な気持ちだった。帰ろう。祐介のもとに。


 マンションの下まで来ると、ほんの数日見なかっただけなのに、随分と長い間ここを離れている気がした。エントランスホールで暗証番号を入力し、オートロックを解除する。毎日していた作業が何だか新鮮に思える。玄関の前に着いて思いついたこと。それは、今まで通り鍵を使って入っていいものか、それともチャイムを押すべきなのかということ。ここに来て初めてそれが思い浮かんだ。
 何だか段々緊張してきている。祐介はどんな顔をするんだろう。お前が勝手に出て行ったんだろうって、お前の荷物はもう無いよって、そう言われるんだろうか。玄関に背を向けて、ドアにもたれてどうしようかと迷っていると、エレベーターの方からコツコツと足音が聞こえてきた。うつむいていた顔をパッとあげると、そこには息を切らした祐介が立っていた。
「あっ・・・」
 祐介と目が合って、私の体は動かなくなった。なんて言えばいいんだろう。全く言葉を用意していなかったことと、心の準備が出来ていなかったことで、私は激しく動揺した。
「あ、あの・・・ごめんなさい。私・・・私ね・・・」
 上手く言葉が出てこなくて、何かいい言葉が見つからないかともごもご言っていると、急に目の前が何も見えなくなった。祐介が私を抱きしめたのだ。私の視界は祐介の胸でいっぱいで、それ以外のものは何も見えなかった。
 ああ、この匂い。祐介の匂いだぁ。
 張り詰めた緊張感が一瞬で安らぎに変わった。彼の胸に顔を埋めて、久しぶりに彼の匂いに包まれた。と、その時に気付いた。祐介の体が小刻みに震えていることに。
「祐介・・・泣いてるの?」
 すると祐介は声にならない声で私に言った。
「お、俺・・・大好きな梨花のこと、本当はいつだってこうやって抱きしめたかった。」
 それを聞いて、涙が溢れてくる。こんなことを言う人だっただろうか。いつも何を言っても何を聞いても曖昧な答えばかりで、ちっとも掴み所の無かった祐介なのに。でも嬉しかった。鼻声で少し聞こえ辛かったけど、祐介は確かに今、私のことを好きだと言ってくれた。
 本当は電話の相手のことを聞こうかと思っていたのだけど、もうそんなことはどうでもよかった。今、私達が抱き合っているこの瞬間が、何よりも一番大切なんだから。
「なあ、梨花。俺のこと、好き?」
 突然祐介が私に尋ねた。おどおどしながら私の反応を窺っている祐介の表情はとても愛しくて、まるで少年のようだった。私の目をじっと見つめながら返事を待っている。急に意地悪をしたくなった私は、悪戯な笑みを浮かべてこう言った。
「さあ。」


 その日の夜、私は初めて祐介を抱いた。いつもは彼の意志に任せてただ抱かれるだけだった私が、初めて自分の意思で彼を抱いた。
「なんか今日、いつもよりすごいね。祐介のここ。」
 触れると、彼の体はピクッと動いた。私は彼のシャツのボタンを上から一つずつ外していき、少しずつ露わになる彼の胸に息を吹きかけた。
「あっ。」
 祐介が敏感に反応を示す。唇で首筋をなぞった。彼の吐息が耳にかかって、これほど近くに感じる祐介は初めてかもしれないと思った。手を伸ばせばすぐに届く彼の存在を、私はもっと感じたかった。
 天井に向かってピンと立っている小さな突起に歯を当てて、もう片方を爪で弾いた。彼は苦痛に似た表情を浮べ、処女を喪失する少女のように眉を顰めて、出そうになる声を必死で抑えていた。
「祐介、声、我慢しないで。」
 いつもなら言えないような恥ずかしい言葉が次々と出てくる。でも私は少しも躊躇わなかった。男の人が女の子を喜ばせたいと思う気持ちが解かった気がした。
「うっ、ああっ・・・。」
 今、祐介は私が与える愛に、こんなにも反応してくれている。それが嬉しかった。求めるだけでなく、与えれば返ってくるということが解かったから、もう求めるだけの女にはならないと心の中で決心した。
 祐介の反応がもっと欲しくて、私は彼の胸に埋めていた顔をゆっくりと下半身の方に下げていった。

 ねえ、応えて。