「ちがうんです、ちょうろう!
 こいつは今はねむっているんです。
 目がさめたとき、どんなわるいことをするかわからない。
 今のうちになんとかしないといけないんです!」

 ちょうろうはかんしんしてしまいました。
「りょうすけは、もっともっと、よいにんげんになりたいとおもっているね。
 だいじょうぶ。今のおまえはひじょうによいにんげんだよ。
 これからもこころをきれいにしなければいけないよ」

 少年にはわかりました。
 かがくがはったつしたから、今のちょうろうにはふしぎなちからがなくなっていることが。

 だからちょうろうは、ほんとうは悪魔をかんじることができないんだ。
 ちょうろうはうそっぱちのぎぜんしゃなんだ。
 と、少年はおもいました。
 少年はがっかりしてしまいました。







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