良輔は、毎晩、女を捜しました。
 そこに行けば、女は喋っているかもしれない。
 今日こそは。
 そう思い続けて、毎晩、通いました。


 月がまた同じかたちになった夜。
 良輔は女に会うことができました。

 女は喋っていません。
 今まで見たことがないふうに、静かに立っていました。







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