もう少したつと、おむかえがきます。

 そのひとが、私にあちらでの生活をほしょうしてくださいました。
 むこうのくにから、私はあなたたちのことをいのらせていただきます。
 おちからになれず、申しわけありません。

 と女は応えました。

 良輔はなにかを応えようとしました。
 でも、うまいことばがみつかりませんでした。

 女に去って欲しくないようでもありましたし、
 いのってくれてありがとう、と言いたいようでもありました。

 良輔はけっきょく、

 おむかえが来るまで見送ってよろしいですか?

 と尋ねました。
 女は笑って、ありがとう、と言いました。







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