今日はごつごうがつかないだけだ、と良輔は言いました。
 明日になれば、あやまりの連絡がはいるにちがいないよ。

 いいえ、今日でなければだめなのです、と女は泣きながら応えました。
 次のきっかけは、72年もあとにならないとだめなのです。

 いったい、おむかえとはどこのどいつなのだ、と良輔はいぶかしんで尋ねました。

 魔法の国のおむかえウサギです、と女は応えました。
 昨日、ようやく、私のよびかけに応えてくれたのです。
 月夜の晩、魔法の馬車をかりたてて、私を迎えにきてくれると言っていたのに。


 良輔はようやくじじょうがわかりました。
 すべてはこの女のもうそうだったのでした。







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