たびのとちゅう、青年は一人の絵かきと出会いました。
「ねえ、絵かきさん、ぼくのからだの悪魔がわかるかい?」
 絵かきはじっと、青年のからだをみつめてから、こたえました。
「ううむ、ぼくにはみえない。
 ぼくにはきみのからだのなかの悪魔の絵はかけないよ」
 とこたえました。

 がっかりして青年はたちさろうとしました。
「でも、いつか」
 かえろうとする青年を、絵かきがよびとめました。
「ぼくはみえないものをかいてみせるよ
 かいてみせれば、もうこわくはない。
 だって、そいつよりもっとつよいものをかけばいいんだからね。
 だから、もうちょっとしたら、またおいで」

 青年はきょうのところは、ゆうきだけをもらってたちさりました。








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