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この文書は、国連環境計画(UNEP)が2003年9月に発表した劣化ウランに関する概況報告書 "Depleted Uranium Fact Sheet" を日本語訳したものである。
翻訳は
http://postconflict.unep.ch/dufact.html
に基づいている。
英語対訳付きはこちらからどうぞ。
目次: | 背景 劣化ウランとは何ですか? どのように見えますか? いつ使用されたのですか? どこで見つかるのですか? 健康に対する危険 対象地域でのDU被曝の危険 予防策 追加情報 |
背景
劣化ウラン(DU)はその貫通能力のために軍で使用されている高密度金属であり、装甲車の防護材としても利用されている。それは有毒かつ放射性重金属である。国連環境計画(UNEP)は、2000年にコソボ、2001年にセルビア・モンテネグロ、そして2002年にボスニア・ヘルツェゴビナにおいて DU サイトを対象とした環境測定を実施し続けてきた。加えて、UNEP は2002年の春の、クウェートに対する国際原子力機関の劣化ウラン影響評価(IAEA DU assessment)にも関与した。これらすべての研究は、DU は環境に影響を与えると立証している。健康に対する危険は主に DU に接触する人々の自覚次第である。DU の放射線性および化学的影響は、最悪のシナリオの下でのみ発生すると思われる。UNEP の DU 報告は、起こりうる健康に対する影響を回避するために、対象現場の測定、告知、封鎖、除染といったような予防措置を常に勧告している。
[ 写真 ] DU 貫通体の実際の大きさ
劣化ウランとは何ですか?
劣化ウラン(DU)は原子炉の燃料や核兵器として利用するために天然ウラン鉱石を濃縮する過程での副産物である。それは:
非爆発性放射性金属コア弾頭
[ 写真 ] 30mm 劣化ウラン弾:薬莢および貫通体
対装甲弾
劣化ウランはその高密度(19.0 g/cm3;50% 鉛より高い)のために、対装甲弾に使用され、この目的にとって理想的ないくつかの特性を持っている。
[ 写真 ] 劣化ウラン弾が命中した戦車
粉塵に姿を変える劣化ウランの量は兵器のタイプ、衝撃の種類、そして標的のタイプによって決まるだろう。標的に命中する貫通体の数は、標的のタイプや大きさを含む、多くの要因に依存している。平均で、大型機関砲を装備した航空機によって発射された貫通体のうち、標的に命中するのは 10% 以下である(20 - 30 mm 口径)。硬い標的に命中しない DU 弾は柔らかい地面を貫通するか、或いはだいたいは無傷で地表にとどまるだろう。金属の DU は環境条件の下では安定ではないので、これらは時と共に腐食するだろう。
[ 写真 ] 30mm GAU8 ガトリングキャノン
どのように見えますか?
無傷の DU 弾の見かけは灰黒色で非金属的な表面をしている。時を経ると、DU は空気や水分と反応し表面が黄緑色になる。したがって、レモンイエローの酸化ウラン片が対象地域においてしばしば見受けられる。
航空機で使用されるタイプの DU 弾は:
[ 写真 ] 腐食した貫通体(左)および 30mm DU 弾の断面図
戦車で使用されるタイプの DU 弾は:
[ 写真 ] 滞空中に開いた 120mm DU 戦車弾
いつ使用されたのですか?
DU 弾は1991年の湾岸戦争で初めて使用され、続いて1994-95年のボスニア・ヘルツェゴビナ、それから1999年のコソボ紛争、そして最後に2003年のイラクでの使用が確認された。
どこで見つかるのですか?
DU 貫通体、貫通体の破片、および薬莢/外装が見受けられる:
貫通体のほとんどは柔らかい土壌(例えば、砂や泥)に着弾し、おそらく地中 50cm 以上無傷なまま貫通し、長期間そこに留まっているだろう。貫通体のごく一部だけが装甲車や他の硬い外面(例えばコンクリート)に命中したとき DU 粉塵を発生させたり跳弾となるだろう。
[ 写真 ] 印がつけられた DU 貫通体着弾地点
外装/薬莢は:
[ 写真 ] 地表で発見された完全な DU 弾丸(貫通体はすでに腐食)
局地的土壌汚染
(すなわち、地表の数グラムの DU) は:
[ 写真 ] 地表で曝されている貫通体
健康に対する危険
健康に対する危険は依存している:
DU は有毒重金属
DU には放射能がある
DU は三種類のイオン化放射線を放つ:アルファ、ベータ、そしてガンマ。DU による放射線被曝は:
放射線毒性は主にアルファ粒子の放射による DU の放射性崩壊に由来している。これらの粒子には皮膚を貫通する能力はない。しかしながら、もしかすると経口摂取または吸引されたDU 塵が肺や消化管(上皮)を放射能被曝させるかもしれず、それによって放射線被曝の原因となるかもしれない。ほとんどたいてい、空気中濃度や経口摂取量が低いために、吸引や経口摂取による被曝量は非常に小さい。
ほとんどの紛争後の状況に予想されるような、低レベルの被曝においては、付加的な癌の危険は非常に低いと考えられている。重要なことであるが、DU に基づくあらやる放射能の影響も長期的にのみ発生し、兆候が現れるまで通常 10-20 年を要する――例えもし影響があったとしても。
UNEP によって測定されたこれらの貫通体では、微かにプルトニウムの痕跡が存在していたが、全面的に健康に対する危険が増加しないような低レベルのものであった。
対象地域でのDU被曝の危険
予防策
追加情報
【訳者後記】
翻訳した人間はどちらかと言うと右翼(?)に好意的です。できるだけ忠実に翻訳したつもりではありますが、微妙なニュアンスに訳者の肩入れが混入しているかもしれません。疑問な点は原典にあたることをお勧めします。
劣化ウラン関連ドキュメントの翻訳も三つ目となりました。UNEP の報告は WHO とはアプローチが異なっていて、医学的なところは若干弱く感じますが、写真とか生々しくて興味深かったです(ガトリング砲とか)。
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ただし、この日本語訳は国際連合の著作権を侵害してるかもしれません。
http://www.unep.org/Documents.Multilingual/Default.asp?DocumentID=289&ArticleID=3446
http://www.unep.org/Documents.Multilingual/Default.asp?DocumentID=289&ArticleID=3447
国連からクレームがくれば引っ込めます。そんな素敵な事件が起こるとは思えないけれど。
それらの点を踏まえて使ってください。自己責任で。
この日本語訳は非公式なものです。UNEPの見解を正確に伝えているという保証はありません。
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